交通事故では、以下のような症状が発生しやすいとされています。

むち打ち(首の痛み・肩の痛みなど)

むち打ちは、交通事故の患者さんの多くに見られる怪我です。

頭は「頚椎(けいつい)」と呼ばれる首の骨に支えられています。頭の重みは5キロから7キロほどあるとされています。

交通事故によって頭が揺らされることで、首の関節や筋肉が引き伸ばされてしまい、強い痛みを引き起こすことを「むち打ち」と呼びます。

交通事故の衝撃はとても大きなものなので、首が前後左右に揺らされます。

頭がグラグラに揺らされることで、首に強烈なダメージが加わり、首や肩の痛みなどを引き起こします。自律神経系にも負担が加わわり、めまいや頭痛などが引き起こされることもあります。

また、首の筋肉だけではなく、僧帽筋(そうぼうきん)や菱形筋(りょうけいきん)と呼ばれる背中の筋肉にも負担が入るので、背中がパンパンになることも多いです。

呼吸しにくくなったり、胸の痛みに移行する患者さんもいらっしゃいます。

腰痛・背中の痛み

背骨の横には「脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)」と呼ばれる筋肉がくっついています。背骨を支える大きな筋肉で、首からスタートして、腰まで伸びている筋肉です。

交通事故は、とてつもない衝撃を受ける怪我ですので、脊柱起立筋に負担が大きく加わります。すると、急激な腰の痛みが発生しやすくなったり、背中に痛みが生じることもあります。

筋肉以外にも、関節組織にダメージが入ることで、強い痛みが発生することもあります。

首の痛みと腰・背中の痛みは、交通事故によって発生しやすい症状です。

手足のしびれ

交通事故のダメージが強いと、手足にしびれが発生する可能性が出てきます。

しびれが出ている場合は、必ず「原因を把握すること」が重要で、整形外科を受診する必要があります。レントゲン撮影やMRI撮影を行なって、「どこに原因があるのか?」を特定する必要があります。

背骨の中の「脊髄」や「脳」と関係していることもあるため、しびれが出ている場合には、必ず一度は整形外科の診察を受けるようにしてください。

手首の痛み

ハンドルを握っているときに衝突されることで、手首をひねってしまうことがあります。手首をねんざしてしまった状態です。

衝撃の強さによっては「TFCC損傷」と呼ばれる、難治性・慢性化しやすい怪我になってしまうので、とても注意が必要になる部分です。TFCC損傷になってしまうと、手術の必要性も考えられます。

見逃されやすい症状というか、患者さんご自身が見落としやすい症状で、後から痛みが出てくることも多くあります。

首や背中の痛みに気を取られていて、手首の症状に気づいていない患者さんもいらっしゃいます。手首に痛みが出ていないかどうか、今一度、確かめてみてくださいね。

打撲による胸の痛み

後方から自動車に衝突された場合、ハンドルやエアバッグに胸が衝突するケースがあります。

強い衝撃が胸に加わるため、強い痛みが発生することがあります。

胸骨骨折や肋骨骨折が起きていたり、肋骨打撲、肋間筋打撲、肋間神経痛、背中の痛みなど、いろいろな状態が考えられます。

胸に痛みを感じるようになったり、呼吸がしづらくなることも多いです。シートベルトにグイッと抑え込まれて、胸や鎖骨・肩にダメージが入ることもあります。

骨折をしていなくても、筋肉や関節にはダメージが入っている状態ですので、しっかりとした治療を受ける必要があります。

膝や足首の痛み

フットレストやブレーキの部分に足を載せた状態で衝撃を受けると、膝や足首を痛めてしまうことがあります。

足首や膝が固定された状態で強い衝撃を受けるため、関節をひねってねんざしてしまったり、打撲のような状態になることもあります。

よく見られる症状の一つで、足首が膨らんだり、歩くのが困難になることもあります。

足首を包んでいる靭帯・関節組織・筋肉組織だけでなく、すねやふくらはぎにもダメージが入るため、足をつりやすくなる患者さんもいます。

「コンパートメント症候群」と呼ばれる手術が必要になる患者さんも存在します。

絶対に放置すべきではない怪我の一つで、確実に治療を受けることをオススメします。